« EOS-1D X,発売日決定 | Top Page | サンディスク Extreme Pro コンパクトフラッシュ SDCFXP-128G-J91A »

June 28, 2012

キヤノン EOS-1D X

運よく初回出荷分を入手することができましたので,ファーストインプレッションを.

Haru20120623c
(EOS-1D X, EF85mm F1.8, F2.8, 1/800sec, ISO100, 50%縮小, モデル:はる)

ちなみにサイズは小さいけど,以下のエントリにある写真はすべて EOS-1D X で撮影したものです.(exif が参照できます.)
https://takephoto.cocolog-nifty.com/breeze/2012/06/1-a4b4.html
https://takephoto.cocolog-nifty.com/breeze/2012/06/2-0d9d.html

ちなみに僕は EOS-1Ds Mark III (以降 1Ds3)ユーザーですので,今回の EOS-1D X (以降 1DX)のインプレッションは,この二つのカメラの比較がベースになります.(EOS-1D Mark IV や,5D Mark II は使ったことがないので,比較のしようがありません.)

■ボディの大きさ,重さ
- 質量は,1Ds3 1,430g に対し,1DX 1,570g とかなり重くなっています.(バッテリ,ボディキャップ,メディア2枚込にて.) 大きさは厚み(前後)方向で少し厚くなってますかね,そのせいかグリップを握ってみると,1DX のほうが剛性感が増している感じがします.
- 時々肩に食い込むバッグのストラップの痛さに,「なんで俺はこんなに重たいカメラを使っているんだ」と愚痴りたくなることもあるのですが,このクラスのカメラを使っていて,重さに文句を言ってはいけません.いやなら Kiss を使ってください(笑)

■ボディ背面
- 3.2",1.04Mp と大型化された背面メイン液晶は,非常に見やすくきれいなものです.カタログによると,構造的に 1Ds3 のものと比べると反射が抑えられているものらしいです.
- 操作ボタンは位置も大きさも少しずつ変化しています.メイン液晶右脇にQボタンが設置され,1D 系としてはじめてカメラの設定が一覧できるようになり,画面からダイレクトに設定画面へジャンプすることができるようになりました.
- 同じく液晶下には,再生系(再生,拡大等)のボタンが配置されています.
- 縦位置用のマルチコントローラーが追加され,縦位置,横位置での操作が統一されています.

■ボディ前面
- ユーザーが機能を割り振れるマルチコントローラー2ボタンが増えています.(横位置用,縦位置用) 今のところ,このボタンには何も割り振っていません.アイデアがないのです...(笑)

■ボディ上面
- メインダイヤル,シャッターボタン,液晶パネルの位置関係には大きな変化はありません.ただ 1Ds3 では function ボタンのメニューの中にあったホワイトバランスが独立したボタンとなり,ボディ上面に設置されました.それに伴い,ホワイトバランスの表示が,背面サブ液晶から上面液晶パネルへ移ってきています.

■ボディ左側面
- Gigabit ethernet等が入ってきたため,左側面は一面全体が接続端子だらけになり,通常はゴムキャップに覆われている状態です.

■ボディ右側面,グリップ~メモリーカードスロット
- 全体的な形状的には大きな変化はありませんが,メモリーカードは,1Ds3 の CF + SDHC から,CF*2 (UDMA7 対応)になりました.1Ds3 では CF をメインに使っていて,CF から溢れ出す場合を考えて,SDHC を No.2 スロットに入れていましたが,64GB, 128GB クラスの CF を使っているとまず CF から溢れることは無く,SDHC はほぼ無用の長物になっていたので,今回 CF の2枚構成になったことで,個人的には運用がすごくやりやすくなりました.

■バッテリー
- バッテリーは 1Ds3 の LP-E4 から新型の LP-E4N になりました.ただ旧型の LP-E4 も EOS-1D X で使用できますし,EOS-1D X 付属の充電器 LC-E4N で,LP-E4N/LP-E4 のどちらも充電できます.
- 外から見てわかる変更点は,容量が 2300mAh(LP-E4)から2450mAh(LP-E4N)になっていることと,ラベルの色が銀色(LP-E4)から金色(LP-E4N)に変わったことです.

■AF
- 1Ds3 の 45点 AF に対し,61点 AF に強化され,クロス測距点も 41点に増加していますが,使用するレンズによって,使用可能測距点と測距パターンが変わります.メモ代わりに手持ちの主なレンズをあげてみました.





Aグループ
61点でAF測距使用可能。すべての測距エリア選択モード選択可能。

  • EF24mm F1.4L USM
  • EF28mm F1.8 USM
  • EF35mm F1.4L USM
  • EF35mm F2
  • EF50mm F1.2L USM
  • EF50mm F1.4 USM
  • EF85mm F1.2L II USM
  • EF85mm F1.8 USM
  • EF135mm F2L USM
  • EF135mm F2L USM + Ext EF1.4x
  • EF200mm F2L IS USM
  • EF200mm F2L IS USM + Ext EF1.4
  • EF200mm F2.8L II USM
  • EF300mm F2.8L USM
  • TS-E45mm F2.8
  • EF16-35mm F2.8L II USM
  • EF70-200mm F2.8L IS II USM
Bグループ
61点でAF測距使用可能。すべての測距エリア選択モード選択可能。
Aグループに比べ,"F2.8とF5.6対応クロス測距(デュアルクロス測距)"が使える測距点が減少(5→1)し,中央測距点のみとなります.

  • EF15mm F2.8 フィッシュアイ
  • EF24-70mm F2.8L USM
Cグループ
61点でAF測距使用可能。すべての測距エリア選択モード選択可能。
"F2.8とF5.6対応クロス測距(デュアルクロス測距)"が使える測距点がなくなります.

  • EF200mm F2.8L II USM + Ext EF1.4x
  • EF300mm F4L IS USM
  • EF300mm F2.8L USM + Ext EF1.4x
Eグループ
61点でAF測距使用可能。すべての測距エリア選択モード選択可能。
Cグループに比べ,測距点列の外側から2,3列目が,"F4対応(縦線検出)+F5.6対応(横線検出)クロス測距"から"F5.6対応(横線検出)測距"になります.

  • EF100mm F2.8 マクロ USM
  • EF300mm F4L IS USM + Ext EF1.4x

- 撮影して初めて気づきましたが,外側の測距点が 1Ds3 よりも外側に配置されているので,凄く撮りやすくなりました.構図によっては画面を振り直すことがなくなるし,たとえ振り直す際でも角度が小さくなるので,コサイン誤差による誤差が小さくなることは間違いありません.実際初撮影の上がりを見てみると,AF を外しているカットがほぼなく,精度がかなり良くなっているという印象でした.

■シャッター
- 1Ds3 は連射速度 5 shots/sec 程度でしたので,12 shots/sec は十分爆速.1D2N 以来久しぶりのスピードシューターに大満足です.ただ実際には 12 shots/sec の高速連射は年に2~3回しか使わないでしょうが,レリーズタイムラグ最速化(標準で 0.055sec を,設定で 0.036sec にできる)は,撮りたいときに撮れるという意味で,このカメラの大きな魅力のひとつだと思います.これを味わってしまった後,1Ds3 をいじったら反応が遅くて,嫌になりました.ちょっと元には戻りたくないです.

□高感度 ISO,動画とかは,試せていないので,機会があればまた.


■結論
2008年の 1Ds3 から4年ぶりの新型 EOS-D となりますが,買ってよかったと思います.まだまだ使い始めたばかりですが,きっと頼れる相棒になりそうです.


■■■ 2012/6/30 追記 ■■■
「液晶保護シートは何を使っていますか?」という質問をいただいたので.
これです.↓ [ケンコー・トキナー KLP-CEOS1DX]


大きさもぴったりで,気泡も入りにくく貼りやすいので,お薦め.

[カメラ(デジタル)] | Permalink

カメラ(デジタル)」カテゴリの記事

Comment